「亡くなった家族が、どの銀行に口座を持っていたのか全くわからない」
「遠方に実家や土地があるようだが、不動産がどこにあるのか正確に把握できていない」
「他の親族が財産を管理しており、何が遺産として残されているのか教えてくれない」
遺産分割の話し合い(遺産分割協議)を正しく進めるためには、まず「何が相続財産なのか」をできる限り正確に洗い出す必要があります。もし財産の一部を見落としたまま話し合いをまとめてしまうと、後から新たな財産が見つかった際に、追加の協議や手続きが必要になる可能性があります。また、借金などのマイナスの財産を見落としてしまうと、気づかないうちに多額の債務を引き継いでしまうリスクもあります。当事務所では、不透明な財産状況を客観的な資料に基づいて整理し、将来のトラブルを防ぐための財産調査をサポートいたします。
財産調査において直面しやすい2つの不透明なケース
ご遺族だけで亡くなられた方の財産をすべて特定しようとしても、どこに何があるのか手がかりがつかめず、調査が止まってしまうことがあります。特にご相談が多いのは、以下の2つのケースです。
1. どの銀行に口座があるかわからない場合
「生前、いくつかの金融機関と取引があったようだが、通帳やキャッシュカードが見当たらない」「ネット銀行など、郵送物が届きにくい口座があるかもしれない」というケースです。 預貯金の調査では、通帳、キャッシュカード、金融機関から届く郵便物、メール、既存口座の入出金履歴などから、取引のある金融機関を確認していきます。取引の有無がわからない状態で、多数 の金融機関へ個別に問い合わせをするのは時間と労力がかかります。また、各金融機関への照会には戸籍謄本や本人確認書類などの提出を求められることが多く、手続きだけでも大きな負担になることがあります。
2. 不動産がどこにあるのかわからない場合
「地方に先祖代々の土地や山林、あるいは身内の知らない私道の共有持分があるらしいが、正確な場所がわからない」というケースです。不動産は、納税通知書や権利証(登記識別情報)、市区町村で取得できる「名寄帳」から確認できます。ただし、名寄帳は自治体ごとに取得する必要があるため、複数の地域に不動産がある場合は見落としが発生しやすくなります。特に、評価額が低く納税通知書に載らない私道などは、過去の書類や登記情報まで徹底して調べる必要があります。なお、不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を行わなければ、過料の対象となる可能性があるため、早い段階での正確な調査が不可欠です。
隠れた財産を見逃さないために、弁護士への相談が有効
ご自身だけでの調査に限界を感じた場合や、「ほかにも財産があるかもしれない」と不安に思われる場合は、お早めに弁護士へご相談ください。
【弁護士による金融機関や法務局への照会】
弁護士は、依頼者様の代理人として、各金融機関に対する残高証明書や取引明細の開示請求をサポートできます。また必要に応じて、「弁護士会照会(弁護士法第23条の2に基づく照会制度)」を活用し、関係機関に対して必要な事項を確認することを検討できます。不動産調査においては、心当たりのある市区町村ごとに名寄帳を確認し、必要に応じて法務局で登記事項証明書を取得することで、土地や建物、共有持分の有無などを確認していきます。また、借金、ローン、クレジットカードの未払い金、税金の滞納分などのマイナスの財産も確認し、整理していきます。
【不透明な財産を整理し、次のステップへ】
財産調査によってプラスの財産とマイナスの財産の全体像が見えてくると、財産目録として整理しやすくなります。財産の全体像が明確になれば、相続人同士の無用な疑心暗鬼や対立を防ぐことができ、その後の遺産分割協議も進めやすくなります。また、借金などのマイナスの財産が多い場合には、相続放棄や限定承認を検討する必要があります。