「親族間で遺産の分け方を話し合っているが、意見が合わずまとまらない」
「一部の相続人が勝手に決めた取り分を押し付けてきて、公平な話し合いができない」
「そもそも誰がどの財産をどれだけ引き継ぐのが法律上正しいのか、基準がわからない」
亡くなられたご家族の大切な遺産を分ける話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。お金や不動産といった具体的な財産が絡むと、それまで仲の良かったご家族であっても、ちょっとした意見の食い違いから、話し合いが全く進まなくなってしまうことは少なくありません。当事務所では、目先の取り分をただ奪い合うのではなく、客観的な事実と証拠を丁寧に整理し、相続人同士が納得できる解決を目指してサポートいたします。
遺産分割でよくある3つの「前に進まない」お悩み
遺産の分け方に関する話し合いは、親族の間だけで進めようとすると、感情的な対立に発展しやすいことがあります。特に以下のような状況では、弁護士を介して法的に整理することが有効です。
1. 兄弟姉妹が財産を確保していて、通帳などを見せてくれない
「亡くなった方の身の回りの世話をしていた兄弟姉妹が、財産を管理しており、預金通帳や遺産の一覧を見せてくれない」というお悩みです。財産の内容が不透明なままでは、他の相続人に不信感が生まれ、話し合いが進みにくくなります。まずは、預金の取引履歴、通帳、固定資産税関係の資料、証券会社からの書類などを確認し、客観的な方法で財産の全体像を明らかにすることが第一歩となります。
2. 相続人の一人が、亡くなった方の預金を引き出していたことが発覚した
「亡くなった方の生前、あるいは亡くなった直後に、特定の相続人が勝手に口座からお金を引き出していた形跡が見つかった」という非常にデリケートなトラブルです。 引き出されたお金が、ご本人の介護費や生活費に使われたのか、それともご本人のためではない使途に使われたのかをめぐり、お互いの言い分が平行線をたどることがあります。このような場合も、銀行の取引履歴、領収書、介護記録、生活費の支出状況など、客観的な資料をもとに事実関係を整理する必要があります。
3. 相続人が多く、話し合いがまとまらない
「面識のない異母兄弟姉妹がいる」「代襲相続により、甥や姪なども相続人になっている」「遠方に住んでいて連絡が取れない人がいる」など、関係者の人数が多く、話し合いの調整が難しくなるケースがあります。遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ原則として有効に成立しません。そのため、相続人が1人でも欠けた状態では、手続きを進めることができません。確実な戸籍調査と、漏れのない連絡調整が必要となります。
対立が複雑化・長期化する前に、弁護士へお任せください
遺産分割の話し合いは、当事者同士だけで長引かせると、過去の不満や感情が表面化し、状況がさらに複雑化・長期化してしまうことがあります。早い段階で弁護士が関与することで、親族間の不要な対立を抑えながら、法的な整合性を踏まえて、正当な相続分を適切に主張しやすくなります。
遺産分割を解決するための3つのステップ
話し合いがまとまらない場合でも、解決に向けて段階的な手続きが用意されています。
STEP1遺産分割協議(話し合い)
まずは相続人全員による話し合いを進めます。必ずしも全員が直接対面して集まる必要はなく、書面や代理人を通じて話し合いを進めることもあります。弁護士が代理人となる場合は、他の親族やその弁護士との交渉窓口となり、合意内容の整理や遺産分割協議書の作成をサポートします。全員の合意が得られたら「遺産分割協議書」を作成し、名義変更手続きなどに進みます。
STEP2遺産分割調停(家庭裁判所での話し合い)
相続人同士の直接の話し合いでは解決が難しい場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方法があります。調停では、裁判所の調停委員が双方の間に入り、客観的な立場から妥協点や解決案を探ります。裁判所での手続きではありますが、あくまで話し合いによる合意を目指す場です。
STEP3遺産分割審判(裁判官による決定)
調停を重ねても合意に至らない場合、「審判」という手続きに移行します。審判では、これまでに提出された双方の主張、客観的な証拠、財産の状況などを総合的に考慮したうえで、裁判官が法的な観点から遺産の分け方を判断します。